夏の日

もう夏だった
晴れ間が卑しいくらいの光になり
春のぼんやりしたあかりとは全然違う
光に照らし出されているからか
些細なことがとてもよく見える

電車の中の中学生の休みにわくわくしている声のトーンや
雑草の深く濃い緑
そして自分の不安も何もなく静まった心

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最近は100%果汁ジュースしか飲んでいない
ま、貧乏だから濃縮果汁還元しか飲めないけれど
それにしてもお茶を買わなくなってしまった

この時期からは水分をやたらめったら飲むようになるから
糖分が入ってるものより、お茶の方がいいのは分かってる
でも、なんだか惹かれてしまう
濃く喉をとおっていく感覚とか
飲み込む瞬間の甘酸っぱい香りとか
作り物ではない色とか…
お茶とは違った刺激を求めているからだと思っている
だから炭酸を妙に求める時があるし
またお茶に戻っていく時がある

何か一つがほしいと思って
それが手に入れば、ずっと大丈夫な人もいるだろう
私はそうではないらしい
いろいろなものに惹かれる
どれか一つ、っていうのを持つのが怖いから、とも言える
裏切られた時がとても怖い
なくす時を思うと、今手のひらの中にあっても身震いがする
確実な一つ、ならば何も気にすることがなくいられるのかもしれないけど
悲しいことに、そんなものにいまだかつて出会ったことはない
だから、私は「確実」を切りきざんで
いろいろなところに置いて
1か0かという状態から逃げる