慌しい週末であった


金曜日、仕事を終えた彼氏が新居に帰宅
荷物の準備をして、終電の新幹線で一緒に博多へ移動
日付変わる頃くらいにビジネスホテルについて、就寝


翌朝身支度をしている途中で母親から電話
新幹線が新大阪〜博多間で運転見合わせらしいが大丈夫かとの問い合わせ
すでに博多についてると伝える。彼氏に無理を強いたけど前日入りしてよかった


特急で実家最寄へむけて移動
吉野ヶ里公園と新鳥栖に止まったのだが…何かイベントがあったのか、停車駅が増えたのか


最寄り駅に特急が着くとき、たぶん親のどっちかが改札に立ってるよ、と彼氏に伝えたところ
改札に立ってた父親を一発で見抜いた。「雰囲気ですぐわかった」らしい
とりあえずそれぞれを紹介し、車で実家へ移動
車中で父親が地元についての話をしていた


一体どこにしまってあったのか知らない座椅子がリビングに置かれており
上座と下座を私が間違えたが、一同着席


「スーツを着てきたのはわかったから、もう楽にしなさい」との父親の発言で
彼氏が上着を脱いだものの、少々寒そうだった
いつも私が実家に帰ったときと同じく、母親が「これ着れる?」とチョッキを持ってくる
そりゃ拒めないだろうなぁ、彼氏はスムースに着用
しかし、冷え性であるため腕から冷えたかくしゃみをしてしまう
母親が追加で青いはんてんを持ってきた
彼氏だけ着ているとものすごいアウェー感だろうと思い、私は妹が昔着ていた赤いはんてんを着た
なんぞこれ?


場を和ませるための世間話をする中で、父親が最近はまっているウォーキングについて熱く語り出してしまう
完歩した記録証を額装したやつを数点もってくるわ、
完歩した人たちの感想文集(表紙は超満面の笑顔の父親)を見せるわ、
しかも父親の文章だけではなく親友の文章まで読ませるわ
ちょっと最初から飛ばしすぎだと娘は少々焦った
(のちに、父親の文章と私の文章が似てたかを彼氏に聞いたところ、共通点はあったらしい)


もちろん彼氏のことや、これまでの二人のことも聞いてくるけど
釣りの話やら私が父親に送った手紙をファイリングしたやつを見せたりとか
あれやこれやを繰り出し続ける父親
その流れでそのまま母親に「そろそろあれか」とお酒をあける手つきをしたので
これは!このままでは!だらだらしちゃうのも!!と思い
おお、お酒はいる前にちゃんと話をしておきたいことが!!ととりあえず娘より切り出し
彼氏が座りなおして挨拶をした
前日の夜読んだらしい結婚の挨拶マニュアルに近い内容だったけど
べたで十分、ちゃんとまじめに挨拶してくれた
父親はなにも抵抗するようなことは言わずに、了承。
「でも、一つだけ
akipは長女だから、妹の方は自然にすくすく育てたけど、長女だからものすごく厳しく育てた
たぶん中学くらいまでは厳しくしかって、高校以降はほとんど何も言ってないと思うけど、akipとしても怖かっただろう
とても気立てのよい子だから、しあわせにしてやってください」
私が嗚咽した、赤いはんてん着たまま。
横には青いはんてん着た彼氏が座ってた
こんな格好だったのに、ほっとして泣けた


その後は、たぶん飲まずに置いていたMOETが出てきて
ビールから麦焼酎へ進み
テーブルにはふぐのから揚げと干したけのこの煮物とポテトサラダ
途中でご飯と漬物と油揚げの味噌汁。最後にベイクドチーズケーキ
なぜか私はやたらトイレが近くなり、頻繁に席を外していたけど
特に問題なさげに親と彼氏が話していた


母親の方が父親よりシビアな質問繰り出してた気がする
現実的で几帳面な性格が出てたなぁ


父親のウォーキングのきっかけが父の親友にあったり、
実は司法試験を受けたことがあって、でもあっさり落ちてたり
定年後に12キロやせてたり
母親のデジカメの写真の枚数が2000枚を超えてたり
(私のまねをしてたらそうなったらしいが、娘としては娘以上に細かく写真取りすぎだと思う)
私も知らないような情報が知れたりしたので、娘としてもとても面白い時間だった


3時の特急で引き返すことにし、父親と私・父親と彼氏…と握手をして
母親の焼いたベイクドチーズケーキを土産に実家を出る
駅に着いたときには特急がすでに到着していて、あと2分で出ちゃうんだけど!と慌ててる娘を尻目に
父親はエキナカのコンビニで何か買っていた(これもいつものこと)
ビニール袋に入って手渡されたオレンジゼリー二つ
受け取って慌てて特急に乗って、窓から見える両親に手を振ったけど
窓がスモークだったから向こうには見えてないようだった


ほっとしたようすの彼氏と車内でゼリー食べた


博多について、駅から近いところでラーメン食べて
お土産買ったり、本屋覗いたりしたのち新幹線で大阪へ


今日は新居から出勤
やっぱり通勤時間が一気に長くなるなと苦い気持ちがよぎる


外回りを終えて、会社に戻ったらがくりと急に眠気がきた
居眠りしそうになって危なかった


帰ってきて洗濯して、ロゼワイングレープフルーツジュースで割ったものを飲みつつ、今に至る

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進学で一人暮らしを始めて、軌道に乗ったとき「ひとりで生活できるようになったんだな」と思った
社会人になって、お給料で生活できるようになったとき「ちゃんと自活できるようになったんだな」と思った
でも、今回親から承諾もらったときほど「独り立ちをするんだな」と思ったことはなかった
両親の娘という立場が変わるんだ、新しく家族を作るんだ
その事実をかみしめると、親がものすごいスピードで離れていくような感じがして
昨日は気を抜くと涙ぐんでいた気がする。不思議な気持ちで一晩過ごした


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新生活に向けて動いていこう