立ち止まる

スーツを着て
書きかけのエントリーシートを前にして
私は固まってしまった
嘘八百だ、これ

この会社になぜ入りたいのか
セミナー聞いてもホームページ見ても資料を見ても
実感湧かないようなところに
心からのアピールなんかできない

筆記に通って、運良く選考に進んでも
面接をやった時点で見抜かれるだろう

エントリーは数たくさんやってもいい
その先は、自分が頑張る姿を想像できるかどうかを考えたうえで
相手に売り込んでいくか判断していかなくてはならない
私は
そんな基本的なところを忘れた就職活動をしてきたんじゃないだろうか
ただ無駄に数を打ち続けるのであるならば
時間と交通費の無駄なのにね

失礼だけど
もったいないけど
私は、今日の試験の予約をキャンセルした
もうその会社に再びアタックすることはないと思う

多分それに気付けたのは
昨日すごく行きたかった会社にふられたからだろう
恋愛に失敗すると、つらくて仕方ないのに
気付くこと、見えるようになることが増えるように
不採用通知も、同じなんだなぁと、感じてしまった

強い思いをもって活動した会社があったから気付けたのかもしれない
早くに気付けてよかった
そうやって前向きに捉えていかないと、就活はやっていられない

カジュアル服に着替えて
部屋を大掃除しよう
せめて自分のいる場所くらいすっきりさせよう
自分がすっきり就活にむかえるようになるといい